この人と、旅をする Hitotabi

ひとたびガイド

西埜馬搬
西埜 将世(まさとし)

北海道

馬搬

西埜馬搬代表。恵庭市出身。大学で動物調査を学び、自然体験施設スタッフ、林業会社の造林造材手、観光牧場スタッフを経験。馬搬を学ぶため岩手県遠野市の馬搬家・岩間敬氏を訪ねるほか、ヨーロッパの馬搬視察、故上村廣美氏との交流などを通して馬搬の見識を深める。2017年に厚真町地域おこし協力隊着任、同時に西埜馬搬開業。

西埜馬搬は、環境問題に向き合う今の時代に沿った馬搬を目指しています。
私たちの馬搬は一度にたくさんの木材を運べませんが、環境に配慮しながら山林の整備や保全をすることで、山や森を育て次の世代に繋いでいけると考えています。

今のスタイルで馬搬を開業してみようと思えたのは、ヨーロッパの馬搬視察で見た光景がきっかけでした。
イギリスでは、女性1人で馬を操り少量の木材を何度も運び出すという、馬の負担が少なく女性の力でも無理なく行える馬搬の姿に驚きました。
スウェーデンでは、馬の負担が軽減するよう機械を上手く組み合わせるやり方に、こんな方法もあるのかと。そして、ヨーロッパでは環境に配慮した林業のビジネスとして認められているのです。
昔の日本の馬搬は、馬の負担軽減よりも生産性を重視したものでした。そのイメージとは全く異なる光景をヨーロッパで目の当たりにした私は、この環境に優しい小規模林業としての馬搬ならやってみたい、そして今の日本でも、馬搬がビジネスとして成り立つはず。そう実感することができました。
私はこの体験が忘れられず、馬搬を仕事にするにはどうすれば良いかを真剣に考えるようになり、そうしているうちに様々なご縁が重なって、この厚真町に開業をする運びとなりました。

私は馬搬のあとに残る道を見るのが好きです。
馬が曳く木材が残す一筋の道はなんだかひたむきで、辿って歩きたくなってしまいます。
馬搬はやっていてとても面白いです。同じことをしても毎日違って飽きないですし、馬も人も少しずつ成長しているのがわかります。馬とコミュニケーションをとることで、なんとも言えず癒されるのも感じます。
祖父母がよく、家で馬を飼っていた時代のことを話してくれました。「大変だったんだよ」という苦労話なのですが、なんだかとても楽しそうに話していたのを覚えています。
馬と働いていると大変なことはたくさんありますが、それを凌ぐ充実感を与えてくれる。面倒なことや手間のかかることでも、みんなで協力して乗り越える達成感は、今の時代ではなかなか得られない豊かな体験かもしれません。大変だけど楽しい、それもまた馬の魅力だと思っています。

そして、馬の能力は多才です。
林業や農業はもちろん、イベントや教育シーンにおいても、馬が活躍する場はたくさんあります。
これからも、馬と暮らしともに働きながら、心がワクワクする新しいことに挑戦をし続けていきます!

西埜馬搬
〒059-1622
北海道 勇払郡厚真町 宇隆285
URL:https://nishinobahan.com/