この人と、旅をする Hitotabi

旅の報告

北のひとたび
北海道・道東
2015年5月2日~5日

2015年05月10日

Category:国内の旅

参加者、インディーの感想より
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日本にもこんなに凄いガイドツアーがあった‼屈斜路湖ガイドステーション『わっか』(アイヌ語の水を意味する)の「北国の春の暮らしと外遊び」ツアーは凄い❗
連休を知床雪山スキーシュー、大自然の懐深くカヌー、そして広大な湿原を間近にネイチャーウォーク。参加者の体力と気象条件に合わせ、道東を縦横無尽に走り回る案内人。その名は『がってん』。わっか代表のスーパーガイドです。雪と氷の世界から木々の芽吹きや満開の桜まで、ぎゅーっと凝縮した3拍4日の内容は……凄いの一言❗

今回の参加者は
・普段はパソコン相手の都会派20代OL。その実態は大自然への知的好奇心とパワーの塊にして無類の動物好き『ならぴー』
・35年のサラリーマン生活に自ら終止符を打ち、インディージョーンズのような考古学と文化財の世界を盲進中。59歳の私『インディー』
・剣道の使い手にして進学塾講師のバイトにお疲れ気味のシャイな大学生。インディーJr20歳『息子』

◎5月2日
09:30、釧路空港は気温11℃、快晴。木々はまだ芽吹き前。関東エリアの季節を2ヶ月以上遡った感じです。広い牧草地や所々にある牛舎を見ながら釧路駅にバスで移動。13:28。釧路駅から一両編成の列車に揺られ、湿原の東側をひた走り。林の中をエゾシカの親子が見送っています。湿原越し西方に遠く雪を頂いた山々が見えます。ガイドの『がってん』と『ならぴー』に摩周駅前足湯で合流。
わっかを経由し、夕焼けの屈斜路湖でカヌーのトレーニングです。『がってん』の手ほどきで落日の湖面をゆったりと進むカヌー。暮れゆく湖面の夕日を見ながら・・素晴らしいの一言。湖畔のコタン温泉につかり「わっか」へ。ミニロフト付きのログハウスが今日からのベース。
夜、「わっか」のログハウスから食事に向かうとき、大きな鳥の羽ばたきがそこかしこから。オーストラリアからのお客様。オオジシギの求愛行動なのだとか。どちらかというと少しやかましい?感じです。夕食はタコと色々野菜のサラダ。スープに大きな手作りコロッケ。自家製マヨネーズがとても美味しい。珈琲と笹のお茶がさっぱりとしています。

◎5月3日
「わっか」の朝は薄曇り。スープと自分でお好みのハンバーガー作り。自家製ベーコン(絶品)のタップリ乗せBLTバーガーを堪能。8時半。知床に向けて出発。何と3日前、ウトロから羅臼に向け横断道路の除雪が済んで入山可能。スキーシューを履いて天空の湖、羅臼湖を目指しました。知床は晴れ。麓の斜里の町でちょうど桜が満開です。
5mを越える雪の残る斜面を歩くこと1時間半。turquoise blue の水をたたえる羅臼湖に逢えました。ちょうど流氷の色にも似た空の青が溶けたような美しさです。スキーシューは初めてですが、歩きやすく滑りやすい。スキーは中高生以来?の私は若者たちに遅れまいと大はりきり!何度転倒しても懲りない性格です。
「がってん」の奥様の手作りシフォンケーキと温かい紅茶に癒されます。お弁当のオニギリもいろいろな具材が入って驚きです。森林限界の羅臼湖は内地なら2000mを超えないとみられない景色。ハイマツも今は雪の下。雪解けで出来た池に立つトドマツが水面に姿を映し、空の青も溶け込んだ不思議な景色です。オシンコシンの滝を見学し川湯温泉で疲れた体を温めました。
帰宅後、「わっか」4番目の住人、羊のメイが脱走の手口を披露。急加速で一気に走りだし、そのまま繋がれたロープをブチン!そして逃げることもなく悠然と草を食んでいます。とても臆病なのに、なんとも大胆です。
夕食は鹿肉のキーマカレー。スープにニンジンフリッター?、玉ねぎのピリ辛サラダ。ポテトと野菜のオーブン焼き。料理の表現が下手ですみません。鹿肉は当然のことながらお店では売っていません。私たちのための特別メニュー? これがさっぱりとしていて美味しい! お代わりを3杯・・・食べすぎでしょうか?

◎5月4日
朝食はそば粉のガレット(お洒落です)
蜂蜜入りクリームチーズ、リンゴのcompote?手作りハムと目玉焼きのガレット包み・・・ウーン朝からなんという贅沢。 朝霧の屈斜路湖でカヌーレッスンは左右急旋回をマスター。次第に霧が晴れ湖全体が見えてくる。山の中腹から上はまだ雪化粧。朝日が心地よい暖かさです。今日のカヌーエリアへ向かう途中。標茶駅近くの釧路川土手や牧場の草原を丹頂が散歩していた。道の両脇に所々雪を見ながら厚岸方面へ。
今回のメインイベントの2つ目。別寒辺牛川のカヌーツーリング。エントリーは細い水路のチライカリベツ川から。チライカリベツとはアイヌ語の「イトウ・戻って来る」という意味だそうです。霧、ときどき小雨の中を静かな水路にエントリー。文化庁の許可を得て、ラムサール条約で保護されている別寒辺牛川を約4時間ほどかけ15km 程をノンビリとカヌーで下りました。流れを下るのは我々だけ。他に誰もいません。風も無く、鳥の声と羽ばたく音が手にとるよう。霧のなかからエゾシカの一団が現れ、高い警告音を発して、また霧の中に消えて行きます。霧や小雨が神秘的な野生の姿を盛り上げてくれます。
カヌーを浅瀬に止め、今日のお弁当はちらし寿司。「がってん」がカヌーの中で豚汁を温めてくれます。暖かい豚汁をカヌーのパドルに乗せて・・・炉端焼きの配膳のよう。さすが釧路地方?です。悠然と羽ばたくオオワシ。高い木の梢で身じろぎもしないオジロワシ。鹿の肉をついばむワシの姿も迫力があります。水面を飛び跳ねる魚。湿原をゆっくり歩く丹頂。そして水際で朽ち果ててゆく鹿の躯。水を飲みに来たのでしょうか? ヒグマの足跡も見つけましたよ!その大きさと爪痕は圧巻です。「がってん」の解説によるとこのエリアでけで約250種類もの鳥や動物などが生息しているのだとか・・今日の奥様手作りデザートはパウンドケーキ。・・・美味い! 本当に料理上手ですね。
カヌーの旅は静かでゆっくり、水辺に近い目線であくまで自然にそっとお邪魔させていただいている・・・人の存在がとても小さく、自然の営みがいかに大きいかを感じます。
帰り道は不覚にも車内で眠りこけ、気が付いたらツルツルの湯?「がってん」運転お疲れ様!夕食はジンギスカン。やはり北海道。それに近くで摘んできたギョウジャニンニク。その袴の部分取り方を「がってん」の二男「シュウシュウ」が指導してくれます。
今回の旅では彼「シュウシュウ」の存在も忘れられません。連休のためか、毎日顔を合わせられました。人懐っこく年間とうしてタンクトップの逞しい少年です。私の「息子」も年の離れた弟の様に思ったそうです。

◎5月5日 晴
昨夜はかなりの勢いで雨が降りましたが、それが嘘のようです。雨の湿り気で、草木の芽吹きに勢いがついてようです。 朝食は自家製そば粉のむしばん。摩周地方はそばの名産地だそうです。
「わっか」の食事について。地元の地産を本当に美味しく料理してくださいます。この滞在期間の食事は本当に美味しく、毎回デザートまで。それを「がってん」のご家族とともにいろいろな話をしながら食す時間。テレビもラジオもつけず色々な話題とともに食べる食事の時間はとても文化的なものであると実感します。
この旅の第三のイベント。釧路湿原へ。文化庁許可エリア。絶滅したと思われた丹頂の生息確認エリアも近いキラコタン岬。観光でヒョイと入れる場所ではなく、車から1時間ほど歩かないと会えない景色。草木がまだ芽吹きの時期。見通しがきく時期だけに格別の風景でもあります。数キロ先に丹頂のつがいが餌を探して移動しています。見渡す限りの原始の流れが雄大に畝っています。言葉がありません。ギョウジャニンニク。採取には行けなかったけど、キラコタンでだくさん見ることが出来、満足です。

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